OKAMOTO Atsuo Exhibition 「穴を彫る -2022」 "excavate a hole -2022"

 東京都台東区北上野2-30-2 いりや画廊 : 会期:2022年9月13日(火) 〜 2022年10月6日(木)

今年に入ってから、9月に開催する個展のプランが纏まってきて、先ずは石に穴を開ける作業から始める。
そして延々7ヶ月後、やっと作品らしくなってきた。9月13日からそれら3点を個展会場に展示している。
若者の作品傾向にあるような、自身の感覚を前面に押し出すような作品ではないが、石に開けた穴を発掘するというスリルな思いの基に、個人的には制作が成立していると思っている。
会場写真Bは入口からの視界で、手前は「息を彫る-2022」中程に「穴を彫る-2022-2」奥に「穴を彫る-2022」。
石は硬い玄武岩の玉石で(basalt boulder)恐らく日本の石ではないのかなあ。輸入原石屋さんが売れなくて持て余していた石を、その石の存在感に惚れて、残っていたほとんどを買ったのだ。そして私の原石置き場にストックしていた石の最後の2個を使った作品である。今となってはもはや材料(この石)が手に入らないため、これが最後の作品になる。

「息を彫る」シリーズは、今まで多く創ってきた。主立った作品としてはロンドンのチェルシー・カレッジ・オブ・アート&デザインで発表し、現在はウォーウィック・アートセンターに展示されている"forest - planet"がある。転がっている石が、原始の森の中で息を始める。それぞれの石には音源が埋め込んであって、石の側まで近寄ると穴の中から水の音、心臓の音が聞こえる。

「穴を彫る-2022」は、石の裏側から空けた穴を、穴の見えない反対側から掘り出していく作品だ。石の中を突き進んでいる空洞のエネルギー(穴)を、穴の見えない側から彫り出していく作品だ。作者としては病みつきになる程スリル満点なのだ。ある意味に於いて、広島空港の円柱作品「地球・1個の球体のために」へのオマージュになるのかも知れない。

会場の動画を始めてYouTubeにアップしてみた。未だYouTubeのやり方が全く掴めていないから良い出来じゃない。

sculpt a hole
写真左 @「穴を彫る-2022」                                                                         写真右の手前 A「穴を彫る-2022-2」
iriya-G exhibition
写真B - 床に展示した重くて大きな作品「息を彫る-2022」

iriya-G exhibition
写真C - 小品達(息をする石達)


Copyright © Atsuo Okamoto