2022年12月29日年末になると、年賀状に印刷するデザイン画を何点か作って、どれにするか検討するのが毎年の習わしになっている。2023年は卯年である。私は6回目の年男だ。その年男が自分の部屋の本棚を背景に、蝋燭を持って一枚の写真の中で炎のウサギと2023を描くというプランを考えた。そしてそのプランの試作を撮った。私から見て数字は左右逆文字を描かなければならないし、私自身が被写体として慣れていないことも手伝って、結局二十枚近く撮ったかな。どの写真も光の文字の後ろには、朧気なお化け映像のような私の顔がブレブレで写っている。コリャ面白!いと思ったのだが、いかんせん新年を迎える最初の挨拶イメージとは裏腹に、暗くて恐くて薄気味悪い写真である。まさかこれを新年の挨拶状として使うわけにはいかないと判断する。あえなくこの企画は没になったのだった。