朝起きてボー霞んだ頭で、先ずは少しばかり歩く。今朝そこに広がっていた風景は、視界いっぱいに立ち昇る湯気の山だった。直ぐに手持ちのカメラで撮影を始めたのだが、水蒸気が消えていくのは早い。瞬く間に風景イッパイの湯気の山は、山の湯気に変わってしまった。それでも20分程は山から湯気が立ち上っていたが、そのうち何時もの風景に戻ってしまったのだ。シャッターチャンスは一瞬だと言うが、正にその通り。何時もワンテンポ・ツーテンポ遅れてしまう。私の様な怠け者が一瞬の絶景を捉えることは、これから先もほとんど無いだろうと確信した朝だった。