暁暗の中、車を暖機するために家を出た。辺りはまだ深い眠りの中にいる。車のフロントガラスがバリバリに凍っていて、すくには発進できない。沼の向かいにある自動販売機が、無意味に並外れてけたたましく、飛来したUFOが自らの姿を眩ますかの様に激しい電光を放っている。沼から立ち上る霧を、ひたすらに艶めかしく浮かび上がらせていた。