Iceland stone
アイスランドの石

我が家の床の間には、五体の福の神が鎮座なさっている。健康の神、安全の神、繁盛の神、繁栄の神、芸術振興神の五福神である。
ヒソヒソと内密の相談事がある時は、五体ガチッと1個の石に丸まって、機密会議をされるのだが、普段はバラけて和やかな井戸端会議だ。
最近この五福神の御前に、アイスランド大使から戴いたフィヨルドの石をお供えした。
夜な夜な、五福神の会話が聞こえて来る。
「こりゃ何だっぺ?」
「海苔巻きムスビみてーだな」
「ムスビにしちゃ〜硬そうだっぺ」
「これ食ったら歯がおっ欠けるど」・・・・
・・・・「こりゃ〜石だな!」
・・・・「日本の石じゃねーな!」
「重くて硬くて、まるでここの家主の石頭だな!」
「おら〜こいつ、何となく好きだっぺ」
そんな会話が聞こえてきたところで、家主が広島弁で
「こりゃーの〜、アイスランドの西側のフィヨルドにあった石じゃげなで! アイスランド大使が拾うて来ちゃって、わしに送ってくれちゃったんじゃ。」・・・・「不思議な石じゃろ!」

五幅人が答えて曰く
「そう言や、ポッドホールの中にある石みたいだべ」・・
「おみゃーポッドホール知ってんのけ?」
「海岸や河岸にある岩盤に、丸い深い穴が在ってよー、その穴の中でゴロゴロ回りながら穴を削って行った石だっぺ!」
・・「〜〜 だっぺよー、だから丸くなって惑星に見えるんだど!!」
「いかっぺな〜。こりゃ我が家の宝物にするだべさー」

ある日、床の間から聞こえてきた、神達の会話でした・・とさ。          ジャンジャン!

Iceland stone
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