wall painting
偉大な雌蕊

華やかさを振りまいていた蓮の花弁が散ってしまって、雌蕊の存在が際立ってきている。身籠もっている雌蕊の下には、萎れた雄蕊がヤンキーの無精髭の様に纏わり付いている。
この空間を貫く様なエロスは何処から来ているんだろう?
仏教で、この花を浄土の花だと言った理由が良く分かる。現世に蔓延るような低俗な色気じゃない。命を受け継ぐモノとしての崇高なエロス、母親の偉大なエロスが、誇り高く掲げられている。
父親はもう直ぐ雌蕊の下で萎縮しながら枯れて散っていく運命・・・ 正に現代の人類の雄に重なるのだ。

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