世の中には色んなカイダンがある。広いモノや長いモノから、狭くて短いモノまで、有名どころから名もないモノ、ひいては身の毛のよだつ怖いモノまで、とにかくカイダンは異空間を繋ぐ架け橋だから、人生にも社会にも必要不可欠なインフラとして、様々な状況で役立っている。写真は、我が家にある唯一のカイダンである。このカイダン、下の方で90度ターンしているから、利用するのにそれなりのコツが要る?とは言っても、一回方向を変えればいいだけだから、全く普通のカイダンと同じだ。世には螺旋カイダンとかジグザグカイダンとか複雑怪奇なモノは色々あるけど、私はクルクル回らされるのが苦手だから、この手のクルクルカイダン系は嫌いである。また一歩一歩のステップが広くなったり狭くなったりする山登りの石段や、イレギュラーな遊歩道のカイダンも好きじゃない。ステップ幅に細心の注意を払わなければ、踏み外すから嫌いなのだ。カイダンを上るという手段が、いつの間にか目的になってしまう。走るという手段が、走るという目的になって、ただひたすら走るとか、自転車に乗るという手段が目的になってしまう等の、ともすると体力増進系の嗜好にはついていけないのだ。さてさて、一日に何十回も行き来する我が家のカイダン、2階の仕事場と1階の居間を行き来する目的で、しかも上り下りをほんのちょっとだけ意識させるに留める、微妙に個性的なこのカイダンが、私には合っているのだ。ナ〜〜んて、屁理屈を捏ねているけど、本当はこのカイダンの彫刻的形状が気に入っている。