正にスコットランドの風景である。況んや都市部を除くイギリスの全土の風景といった方がいいかもしれない。標高1500メートルを超える高い山々は無い。数少ない500〜1000メーター級の山でも、人や家畜が縦横に動き回れる、全体が牧草に被われた山なのだ。イギリスでは国土全体がゴルフコース、キャディーさんがノコノコ歩いていていも全く不思議じゃない山(丘)ばかりなのだ。すなわち、日本の様な森や林で被われた山は無いのだ。だから彼等はそれを山(mountain)とは呼ばない。標高には関係なく丘(hill)なのである。すなわちイギリス全土は丘陵の連続する台地なのだ。スコットランドの北部には1000メーターを超える山があるが、どんなに高い山や丘でも、そのほとんどは頂上まで牧草地になっていて、羊が天空でノンビリと草をはんでいる風景が展開する。かつては、イギリスの台地も丘も、日本の白神山地の様な深い森で被われていた。それを人が切り開いて、牧草地にしちまったのだ。今思うと、これ以上の自然破壊はないのだが、だから森で共存していたネズミの天敵動物達が死滅してペストが大流行した。結果的に国土の大半は麦畑になり、豊かな牧草地になったけど、人を拒絶するナウシカのフカイの森は姿を消したのだ。