Clouds of localized heavy rain
ゲリラ雲とゲリラ豪雨

8月に入って全国的に集中豪雨が頻発している。通称・ゲリラ豪雨、1時間に100mm前後の超豪雨である。
桜川市のスタジオで制作していると、午前中のギンギンの日差しは雲に隠され、南西と北西から魔物の潜みそうな分厚い黒雲が空間を侵略しながら近寄ってくるのに気付いた。雲の境界では魔物から放たれる稲光が台地を直撃しながら、自然界の力強さを誇示している。
こいつ!こっちに来るのか?、来るのなら今すぐに制作を終了し、電動具やクレーンやコンプレッサーを切って片付けなければならない。奴らが仕事場のクレーンを直撃したらたまったものじゃない。
暫くして、冷たい風がビュービューと吹き始め大粒の雨がバシッ・バシッと落ち始めた。稲妻が走る。ヤバイ!
2分後にはプールの水が落ちてくる様な猛烈な雨になった。アスファルトの道は瞬く間に川になる。
豪雨は30分続いたが、どうやら仕事場の上にはゲリラ雲の本体は来なかった様だ。雨が小降りになり辺りが午後の明るさを取り戻し始めてから、過ぎ去ろうとする雲柱を撮った。もちろん盛り上がる雲の総ては見えないが、その濃厚さを垣間見た。
それも束の間、南西からの次の不気味な暗雲が迫ってくるのが分かる。今度は筑波山方面がヤバイ・・・。最早仕事を再開する段じゃないわい。帰るしかないと決めて帰路についたのだが、南に向かって帰る途中、真壁街辺りからその雲の圏内に入った。豪雨と稲光の真っ直中を運転する。車に雷が落ちても中の人は死なないと知ってはいるものの、やはり気分のいいものじゃないから、運転席で身を屈めてハンドルを握っているが、ほとんど意味をなさないことも知っている。至る所に雷が落ちまくっている。
この雷雲は筑波山の南東に位置する石岡市に、114.5mm / hの記録的集中豪雨をもたらした。

Clouds of localized heavy rain

人間は自然の猛威の中で、ただひたすら自分の身を守るしか為す術がない。雷を避け荒れ狂った流水を避け、大地震に身を竦めながら津波から大急ぎで逃れる。とにかくそれしか為す術はない。
自然の力はせいぜいこれくらいだろうと高を括らないこと。人間は偉大だなんて思わないこと。文明は自然を乗り超えることができるなんて、無知な戯言を吹聴しないこと。
地球がブルッと身震いして、くしゃみひとつすれば人類なんて死滅してしまうんだから。

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