2012年4月早々インフォメーションでも書いたように、Jake の家に居候してフライフィッシング・ホリデイを過ごす事になった。もちろん予想はしていて、#4,#5,#6 番の9フィートロッドとライン5本とフライを日本から持参して、ウエーダーとシューズは彼の家に置きっぱなしにしているのだ。写真左は家に隣接した Jake のスタジオである。彼は昨年エジンバラ美術大学を定年退職して、今は作家としてフライフィッシャーマンとして活躍しているのだ。 4月初めだというのに、まるで夏のような気温が続いている。日中は24度前後にもなるのだ。この気温は普通じゃないらしいけど、冬枯れ色の風景の中を、カラフルなTシャツで散策する人がやたらと華やかに目立つというアンバランスな事態になっている。川ではメイフライのハッチが午後2時頃から始まって、腹を空かせたブラウントラウトがライズしているらしい。今回、最初に川に立ったのが3月27日だった。St. Boswells のツイード川は未だ解禁してなくて、Melrose を流れるツイード川の年間チケットを買った。16ポンドだから決して高くはない。初日、私はボウズだった。Jake はいきなり2匹釣った。川には先行者が居て、川の中に立っている彼に魚のライズ場所を教えたら、なんと76センチのブラウンがヒットして釣り上げたのだ。それから2日後、私は一人で同じ場所に立った。朝はライズがないからニンフとストリーマーで釣り下った。今回最初の一匹は、30センチ前後のブラウンだった。冬開けで未だ太ってはいない美しい魚だった。釣行に何時もカメラを携えているわけじゃないから、そうそう写真は撮れない。たまたま持っていた時には取れるけど、釣り雑誌の写真のようにはいかない。できるだけ魚に負担を掛けないように、ネットに入って水に浸かっているところ片手で撮り、直ぐにリリースするからいい写真がないのだ。仕方ないね3月31日にスコットランド・オフィシャル・フィシング・コンペティションが開幕し、第一回の湖のボートコンペに Jake も参加しなければならないというので、私も同行する事にした。右の写真である。場所は、エジンバラから北西に一時間程走ったところにある Loch Carron(細長い堰止め湖だけど、幅1キロ長さ5キロ半ある中規模の湖)で開催される。早朝6時前に家を出て、ひたすら北に2時間走り、キャロン湖畔に立った。風は強くない、雲が流れ光が差したり遮られたりという天気である。気温はちょっと低くて12度前後かな。シーズン1回目のコンペはボートフィッシングらしくて、朝9時半過ぎにフィシャーマン2人に審査員1人が一隻のボートに乗り込んで、十数隻が広い湖面に出て行った。私は一人寂しく岸から釣るのだ。とは言っても岸から釣りを楽しむ人も一般のフィシャーマンも多くいる模様だが、とにかく広い湖なので一人孤独に投げられるのがいい。コンペ連中が出発したボート桟橋から500〜600メーターは歩いたろうか、岸から30〜40メーター沖合で何カ所かのライズを見付けた。ゆっくりと太股辺りまで立ち込んで、さてと、何を食ってるのか分からないから、取り敢えず日本の管釣り用の#12番前後のマラブーフライを引いてみる事にした。日本から持参した9フィート6番ロッドで、フローティングのシューティングヘッドラインでプレゼンテーションする。そしてゆっくり目の速度で引いてくる。2投目でいきなり、ガツンと来た! デカイかも!! 体中にアドレナリンが駆け巡って、心臓バクバクである。リールでの遣り取りで少しずつ寄せようと思うのだが、なかなか上がってこない。10メーター辺りまで寄ってきた時、魚が湖面で方向を変えた瞬間にチラッと背びれが見えた、瞬間こいつは無理だと思った。私が持っているネットは、Jake からの借り物で50センチ径はあるのだが、この大きさじゃネットに入らないと思ったのだ。4xのティペットを使ったのが悔やまれる。案の定ラインブレークで逃がしてしまった。でかかった。やっぱり#6番9フィートじゃ足りない。ロッドを持った手が未だガタガタ震えている。暫く呆然としていたのだが 、Jake から借りた#7/10フィートに替え、ラインもスイッチ用の7番に変えて、気を取り直して別のライズに投げる。少しづつ方角を変えながら、5〜6投目でまたガツンと来た。今度は取るぞ!!! 5分程度かかってやっとネットインしたのが、やや小降りの65センチ前後の大高のあるレインボーだった。結局、午後4時頃までに釣ったのがレインボーとブラウン5匹。どれも60センチオーバーのメチャクチャ生きのいいトラウトだった。フッキングしたのは6匹だけどね。バンクからのフィッシングにしては、いい釣果である。残念ながら、湖畔にカメラを持って行かなかったので、写真が無いのです。
コンペ翌日の4月1日(日曜日)、前年のスコットランド代表チームのメンバー3人と Jake と私の5人で、大西洋に流れる river Clyde で釣行した。寒くて風の強い日だった。美しい川なのだが、時期が少し早かったみたいで、ほとんどブラウンの釣果が上がらないまま(私のウエットフライに一度ヒットしたのだが、敢えなくフックアウト)、途中からグレーリング釣りに切り換えた。グレーリングは瀬の本流に付いている事が多く、メーンはフレンチニンフ(チェコニンフ)の釣りになる。私は上背も体重も無いから、急流に立ち込むのは大の苦手で、こちらの連中より2〜3メーターは本流から退いて釣るしかない。すなわち私なりの亜流のチェコニンフスタイルでやるしかないのだ。これは当たりを取るのが非常に微妙で難しい。フライラインを水面に浮かべて先端の微妙な動きで当たりを見るしかないわけだ。システムも重いニンフを下針にして上針り一本の2本針システム。こっちの連中は3本針にするのだが、私のやり方で3本針はライントラブルが多いために2本針とした。それでも写真右上のグレーリングを1匹釣った。困難な状況下で、何とか一匹は釣ったのだ。4月2日から2日間は、私一人でツイード川に挑んだ。通い慣れた St. Boswells のツイード川が解禁したので、そこを釣り歩いたのだ。2日間で計7匹釣った。
私のホリデイ最終日の4月5日、Jake もツイード川に行くというので、彼のホームグランドで一緒に釣行した。ブラウンのライズが午後3時〜4時半頃にシフトしたから、その時間帯を中心にCDCのメイフライダンを投げる。私が午前中にウエットで釣ったブラウンも入れて、ブラウン計5匹、Jake はシートラウト1匹+ブラウン2匹釣った。Jake の釣ったシートラウトは、スポーニングの後海へ再下るトラウトらしくて、痩せてはいたものの70センチクラスの細長い魚体だった。引きは強くて、川を下られて苦労していた。私も6xのティペットを使っていたから、取り込みには苦労したのだ。スコットランドはブラウンの本場だけあって、フライ人口も多いし川も湖もネイティブの魚が多く生息している。釣り師のほとんどはバーブレスの針を使い、何時もリリースするから、魚が減らないのだ。日本は餌釣り師がほとんどで、釣った魚は大小構わずキープするから、解禁して1ッカ月余り経ったら魚が居なくなってしまう。一人で何匹も釣って本当に食うのかよ?!! 小さい魚は佃煮にするといってた釣り師を思い出した。居なくなるよね。今年で、3年通してツイード川に通ったわけだが、こんな川が日本にあったらいいだろうなと思うし、釣り師がリリースを心掛けてくれたら、もっと良くなるのにと思う事然りなのだ。
85 2012 Scotland fishing
2012年4月早々
インフォメーションでも書いたように、Jake の家に居候してフライフィッシング・ホリデイを過ごす事になった。もちろん予想はしていて、#4,#5,#6 番の9フィートロッドとライン5本とフライを日本から持参して、ウエーダーとシューズは彼の家に置きっぱなしにしているのだ。
写真左は家に隣接した Jake のスタジオである。彼は昨年エジンバラ美術大学を定年退職して、今は作家としてフライフィッシャーマンとして活躍しているのだ。
4月初めだというのに、まるで夏のような気温が続いている。日中は24度前後にもなるのだ。この気温は普通じゃないらしいけど、冬枯れ色の風景の中を、カラフルなTシャツで散策する人がやたらと華やかに目立つというアンバランスな事態になっている。川ではメイフライのハッチが午後2時頃から始まって、腹を空かせたブラウントラウトがライズしているらしい。今回、最初に川に立ったのが3月27日だった。St. Boswells のツイード川は未だ解禁してなくて、Melrose を流れるツイード川の年間チケットを買った。16ポンドだから決して高くはない。
初日、私はボウズだった。Jake はいきなり2匹釣った。川には先行者が居て、川の中に立っている彼に魚のライズ場所を教えたら、なんと76センチのブラウンがヒットして釣り上げたのだ。
それから2日後、私は一人で同じ場所に立った。朝はライズがないからニンフとストリーマーで釣り下った。今回最初の一匹は、30センチ前後のブラウンだった。冬開けで未だ太ってはいない美しい魚だった。
釣行に何時もカメラを携えているわけじゃないから、そうそう写真は撮れない。たまたま持っていた時には取れるけど、釣り雑誌の写真のようにはいかない。できるだけ魚に負担を掛けないように、ネットに入って水に浸かっているところ片手で撮り、直ぐにリリースするからいい写真がないのだ。仕方ないね
3月31日にスコットランド・オフィシャル・フィシング・コンペティションが開幕し、第一回の湖のボートコンペに Jake も参加しなければならないというので、私も同行する事にした。右の写真である。場所は、エジンバラから北西に一時間程走ったところにある Loch Carron(細長い堰止め湖だけど、幅1キロ長さ5キロ半ある中規模の湖)で開催される。
早朝6時前に家を出て、ひたすら北に2時間走り、キャロン湖畔に立った。風は強くない、雲が流れ光が差したり遮られたりという天気である。気温はちょっと低くて12度前後かな。
シーズン1回目のコンペはボートフィッシングらしくて、朝9時半過ぎにフィシャーマン2人に審査員1人が一隻のボートに乗り込んで、十数隻が広い湖面に出て行った。私は一人寂しく岸から釣るのだ。とは言っても岸から釣りを楽しむ人も一般のフィシャーマンも多くいる模様だが、とにかく広い湖なので一人孤独に投げられるのがいい。
コンペ連中が出発したボート桟橋から500〜600メーターは歩いたろうか、岸から30〜40メーター沖合で何カ所かのライズを見付けた。ゆっくりと太股辺りまで立ち込んで、さてと、何を食ってるのか分からないから、取り敢えず日本の管釣り用の#12番前後のマラブーフライを引いてみる事にした。日本から持参した9フィート6番ロッドで、フローティングのシューティングヘッドラインでプレゼンテーションする。そしてゆっくり目の速度で引いてくる。2投目で
いきなり、ガツンと来た! デカイかも!! 体中にアドレナリンが駆け巡って、心臓バクバクである。リールでの遣り取りで少しずつ寄せようと思うのだが、なかなか上がってこない。10メーター辺りまで寄ってきた時、魚が湖面で方向を変えた瞬間にチラッと背びれが見えた、瞬間こいつは無理だと思った。私が持っているネットは、Jake からの借り物で50センチ径はあるのだが、この大きさじゃネットに入らないと思ったのだ。4xのティペットを使ったのが悔やまれる。案の定ラインブレークで逃がしてしまった。でかかった。やっぱり#6番9フィートじゃ足りない。ロッドを持った手が未だガタガタ震えている。
暫く呆然としていたのだが 、Jake から借りた#7/10フィートに替え、ラインもスイッチ用の7番に変えて、気を取り直して別のライズに投げる。少しづつ方角を変えながら、5〜6投目でまたガツンと来た。今度は取るぞ!!! 5分程度かかってやっとネットインしたのが、やや小降りの65センチ前後の大高のあるレインボーだった。
結局、午後4時頃までに釣ったのがレインボーとブラウン5匹。どれも60センチオーバーのメチャクチャ生きのいいトラウトだった。フッキングしたのは6匹だけどね。
バンクからのフィッシングにしては、いい釣果である。残念ながら、湖畔にカメラを持って行かなかったので、写真が無いのです。
river Clyde の風景・写真右下も river Clyde
river Clyde のグレーリング
コンペ翌日の4月1日(日曜日)、前年のスコットランド代表チームのメンバー3人と Jake と私の5人で、大西洋に流れる river Clyde で釣行した。寒くて風の強い日だった。
美しい川なのだが、時期が少し早かったみたいで、ほとんどブラウンの釣果が上がらないまま(私のウエットフライに一度ヒットしたのだが、敢えなくフックアウト)、途中からグレーリング釣りに切り換えた。
グレーリングは瀬の本流に付いている事が多く、メーンはフレンチニンフ(チェコニンフ)の釣りになる。
私は上背も体重も無いから、急流に立ち込むのは大の苦手で、こちらの連中より2〜3メーターは本流から退いて釣るしかない。すなわち私なりの亜流のチェコニンフスタイルでやるしかないのだ。これは当たりを取るのが非常に微妙で難しい。フライラインを水面に浮かべて先端の微妙な動きで当たりを見るしかないわけだ。システムも重いニンフを下針にして上針り一本の2本針システム。こっちの連中は3本針にするのだが、私のやり方で3本針はライントラブルが多いために2本針とした。
それでも写真右上のグレーリングを1匹釣った。困難な状況下で、何とか一匹は釣ったのだ。
4月2日から2日間は、私一人でツイード川に挑んだ。通い慣れた St. Boswells のツイード川が解禁したので、そこを釣り歩いたのだ。2日間で計7匹釣った。
river Tweed のブラウントラウト
Jake の釣ったシートラウト
私のホリデイ最終日の4月5日、Jake もツイード川に行くというので、彼のホームグランドで一緒に釣行した。ブラウンのライズが午後3時〜4時半頃にシフトしたから、その時間帯を中心にCDCのメイフライダンを投げる。私が午前中にウエットで釣ったブラウンも入れて、ブラウン計5匹、Jake はシートラウト1匹+ブラウン2匹釣った。
Jake の釣ったシートラウトは、スポーニングの後海へ再下るトラウトらしくて、痩せてはいたものの70センチクラスの細長い魚体だった。引きは強くて、川を下られて苦労していた。私も6xのティペットを使っていたから、取り込みには苦労したのだ。
スコットランドはブラウンの本場だけあって、フライ人口も多いし川も湖もネイティブの魚が多く生息している。釣り師のほとんどはバーブレスの針を使い、何時もリリースするから、魚が減らないのだ。日本は餌釣り師がほとんどで、釣った魚は大小構わずキープするから、解禁して1ッカ月余り経ったら魚が居なくなってしまう。一人で何匹も釣って本当に食うのかよ?!! 小さい魚は佃煮にするといってた釣り師を思い出した。居なくなるよね。
今年で、3年通してツイード川に通ったわけだが、こんな川が日本にあったらいいだろうなと思うし、釣り師がリリースを心掛けてくれたら、もっと良くなるのにと思う事然りなのだ。