90    一年ぶりに

2014年5月の連休
のどかなポカポカ陽気の5月の連休日、栃木県の日光周辺の渓流に行った。kobyaku-river
昨年は口腔癌の手術のために、川の年券を買いながら一回しか釣行できなかった。今年は体調も良く、鉾田さんと連れ立って渓流を楽しめそうだ。

朝5時過ぎに家を出て川に着いたのが7時半、運悪く今日は魚の放流日らしい。沿道には既に車が多く停まっていて、餌釣り師達が魚の放流を待っている。
我々は Fly だから、餌釣りの人たちとは同じ流れには立てないし、放流したての魚を釣って全て持ち帰るという、釣り堀的発想の渓流釣りには賛同しないし興味もないから、彼らが入らないだろう放流していないずっと上流の流れに立つ。
魚影は薄いけど、ほとんど天然物に近いヤマメやイワナが Fly に出てくるのだ。写真左は鉾田さんが Fly を流しているところ。こんな狭い流れでも、そこそこのサイズはいるから面白いのだ。

bait fishermen写真右は下流に下って多くのプールが点在している辺り、まさに渓流フィッシングを満喫できそうな場所だが、餌釣り屋さんが管理釣り場の如くに所狭しと竿を出しているのだ。
餌の釣り方は、魚が食べる本物の餌に針を付けて、岩の隙間に隠れた魚の目の前を流すのだから、稚魚から成魚までほとんど全ての魚が食いついてくる。それらを悉く持ち帰るから、彼等の去った後には隅から隅まで掃除機が掛けられた部屋のように、きれいサッパリ魚がいなくなってしまうのだ。そしてまた次回の放流日を待って根こそぎ捕って持って行く。
何とも寂しい楽しみ方だと思うのだが、それが日本主流の遣り方になっているから、渓流の釣り堀状態はいつまで経っても変わらない。



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