71    エジンバラ-春

2009年4月22日、成田を1時間遅れで出発した飛行機は、ロンドンに同じく1時間遅れで到着した。
ロンドンで国内線のエジンバラ行きに乗り継がなければならないのだが、入国手続きやら再度の手持ち荷物検査やらで、結局予約の飛行機に間に合わなかったのだ。混み合う出発ロビーの人混みを縫ってブリティッシュエアのカウンターに直行して、2時間遅れの飛行機の席を確保した。
午後8時にエジンバラ到着。幾分ローカルな感じの空港なのだが、そこが私の感性にピッタリはまる。まだまだ明るい時間帯で、過ぎゆく家並みを見送りながらタクシーの運ちゃんとありきたりな会話を交わしながら予約されているホテルに着いた。
Edinburgh down town
古めかしいという言葉と歴史を感じるという言葉は、似たような意味なのだが受け取る側のイメージがかなり違う。中心街にある実に歴史を感じさせるホテルに到着して、カウンターの女性に名前を告げると、にこやかな笑顔と共に部屋の鍵を渡してくれた。先ずは一安心。2時間遅れで到着したから、夕刻からの顔合わせ会には出席出来なかったわけだ。夕食は一人ホテルで取る事にして、先ずは街の探索に出た。
石造りの古いビルがほとんどで、茶系のダークグレーかブルーがかったダークグレーである。行き交う人は大学生らしい若者が多い。タクシーの運ちゃんも話してたように、なるほどスコッチパブがよく目に付くようだ。とりあえず酒屋さんぽい雑貨店を見付けて、寝酒様にウイスキーと水を買ってからエジンバラ美術大学に行ってみた。赤砂岩の歴史を感じさせる重厚な建物である。門が開いていたので中に入ってみると、四方を建物に囲まれた芝生空間の中にランダムに古木が枝を広げている。その先に20台は止められる駐車場があって、学生らしき若者が数人タバコを吸って話し込んでいた。車も出入り出来る側門から出て、大学のある一角を反対側に回ってみた。ガラスを多用した7階建てのお洒落なビルもあって、グランドフロアにはギャラリー空間もある。これがイギリス有数の美術大学なんだ。なるほどねえ
空が暗くなる頃ホテルに帰って、レストランで夕食を注文してノンビリとビールを飲んでいると、隣のパブから騒がしい連中がドヤドヤと移動してきた。一風変わった風体の輩7〜8人の集団である。しばらくボケ〜ッと眺めていると、集団の一人が話しかけてきた。
「あんた日本人か?」
「そうだよ」
「Mr. OKAMOTOじゃないですか?」
「そうだけど・・・」
「初めまして」「我々はマイルストーンプロジェクトの作家なんだけど、こっちに来て飲まない?」
という事で、初日からワイワイガヤガヤと飲食を楽しんだのだ。長旅の後でちと疲れたけど。

雑談紀行



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