上の写真は、地域の子供達が、街にある公共物を大切にして行くというアクティビティーの一環として、子供達全員が「Sculpture Samurai」(彫刻サムライ)と書かれたTシャツを着て、私の作品の清掃をしているところなのだ。Sculpture Samurai の下の丸くて黒い顔は、彫刻の側に設置した石野良猫の顔である。何故サムライなの?と聞いたら、サムライは町民や農民を守る人達だから、という答えが返ってきた。黒沢監督の「七人のサムライ」から発想しているのだろう。 今回は、昨年からの友人クレッグが、私の空いた時間を見て色々と案内してくれた。彼も私と同年代で、正にイージーライダー同世代(ピーターフォンダ主演の映画)だから、基本的なライフスタンスが似ているのだ。 「Weisman Museum」 (Frank Gehry設計)と、例の高速道路の橋の崩落現場に行った。 写真は崩落現場である。潰れた車やバスは撤去されていたのだが、崩れた橋の大部分は未だそのままに残っていた。二つの都市を結ぶ大動脈は、道路標識や路面のアスファルトを残して、下を走っていた貨物列車も巻き添えにしながら、そこだけがキングコングの暴れた痕のように見えた。飴のように曲がった巨大な橋脚の鋼材部分を切り離し、別の場所に集める作業をしている。それらはまるで20世紀彫刻の部材を一同に集めたような、その空間自体が巨大なインスタレーションに見える。 ごく最近、隣接する橋が解放されたようで、現場を一目見ようと多くの市民や観光客でごったがえしていた。この橋は大丈夫なの?という一抹の不安を抱えながら、我々も群衆の徒になってこの写真を撮影したのだ。もしお役所が通行見物料を徴収したとしたら、相当の額になると思われる。 Weisman Museum(写真左)は、フランク・ゲーリー設計の 総ステンレス外装の現代美術館である。 Minnesota University の敷地内にある美術館で、私が訪れた時は、若手作家の展覧会と中国現代写真作家展をやっていた。双方面白い展覧会だったのだが、写真作家展の方は、発展する中国の二面性を表出させた(因習と解放、欧米文明と東洋)いい展覧会だった。 最後に、クラッグ・デビッドさんを紹介しておこう。そう言えば Mr. Craig David 同姓同名の若いシンガーが居るけど、彼の方が年上だからオリジナルになる。今回は彼の貴重な時間を相当に消費させてしまった。写真右は Superior湖に行った時に撮したものだ。背の高さこそ違うのだが、生活スタイルというか思考というか、正に私の回路と相似していて、嘗てのイージーライダー、ビートルズ、ボブディラン、PPM、ベトナム反戦 等々の世代なのだ。 人生一度しかない! Don't think twice it's all right. Let it be.
62 セイントポールへ再び
2007.9.5. 1年ぶりのアメリカだ。
パブリックアート・セイントポールからインターナショナルアドバイサーを依頼されて、として向こう5年間の美術計画会議に出席のためである。同時に、その会議に差し掛けてのレクチャーも依頼されたのだ。
私一人で完璧な英語のレクチャーは不可能だと判断し、昨年の同地でのレクチャーで御厄介になった亜希ちゃんを頼んだ。彼女は在米5年、アメリカの大学の写真コースを卒業して今年から美術館などで仕事をしているとか。とにかく英語はネイティブ並みなのだ。
レクチャー前日に、簡単な打ち合わせをして、9月7日のレクチャーに挑む。お題目は「アートは環境に対して何をなし得るか」、近年の地球環境の変動(環境の悪化)に対して、アートは何をなし得るか? またそのアジテーションは?という、人間が集団で作り上げた文明や文化、それを担う教育も含めての壮大かつ根本的な話である。その具体的なレクチャー内容については、長くなるのでここでは触れない。
レクチャーを無事に終え、9月8日の会議でも色々な助言をして・・・、それらの内容を私がここで公表するわけにはいかない。ただ一つ感じた事は、パブリックアート・セイントポールは非常に真面目に地域全体のアート活動をリードし貢献しようとしていて、同時にファウンデーションとして若いアーチストの支援や、アーチスト・レジデンスも堅実に行っている組織だという事が理解出来た。しかもアメリカで屈指のアート組織に成長しているという事実を感じたのだ。
上の写真は、地域の子供達が、街にある公共物を大切にして行くというアクティビティーの一環として、子供達全員が「Sculpture Samurai」(彫刻サムライ)と書かれたTシャツを着て、私の作品の清掃をしているところなのだ。Sculpture Samurai の下の丸くて黒い顔は、彫刻の側に設置した石野良猫の顔である。何故サムライなの?と聞いたら、サムライは町民や農民を守る人達だから、という答えが返ってきた。黒沢監督の「七人のサムライ」から発想しているのだろう。![freeway bridge](../image/c/sp07/bridge-1.jpg)
もしお役所が通行見物料を徴収したとしたら、相当の額になると思われる。
双方面白い展覧会だったのだが、写真作家展の方は、発展する中国の二面性を表出させた(因習と解放、欧米文明と東洋)いい展覧会だった。
今回は、昨年からの友人クレッグが、私の空いた時間を見て色々と案内してくれた。彼も私と同年代で、正にイージーライダー同世代(ピーターフォンダ主演の映画)だから、基本的なライフスタンスが似ているのだ。
「Weisman Museum」 (Frank Gehry設計)と、例の高速道路の橋の崩落現場に行った。
写真は崩落現場である。潰れた車やバスは撤去されていたのだが、崩れた橋の大部分は未だそのままに残っていた。二つの都市を結ぶ大動脈は、道路標識や路面のアスファルトを残して、下を走っていた貨物列車も巻き添えにしながら、そこだけがキングコングの暴れた痕のように見えた。飴のように曲がった巨大な橋脚の鋼材部分を切り離し、別の場所に集める作業をしている。それらはまるで20世紀彫刻の部材を一同に集めたような、その空間自体が巨大なインスタレーションに見える。
ごく最近、隣接する橋が解放されたようで、現場を一目見ようと多くの市民や観光客でごったがえしていた。この橋は大丈夫なの?という一抹の不安を抱えながら、我々も群衆の徒になってこの写真を撮影したのだ。
Weisman Museum(写真左)は、フランク・ゲーリー設計の 総ステンレス外装の現代美術館である。
Minnesota University の敷地内にある美術館で、私が訪れた時は、若手作家の展覧会と中国現代写真作家展をやっていた。
最後に、クラッグ・デビッドさんを紹介しておこう。そう言えば Mr. Craig David 同姓同名の若いシンガーが居るけど、彼の方が年上だからオリジナルになる。今回は彼の貴重な時間を相当に消費させてしまった。写真右は Superior湖に行った時に撮したものだ。背の高さこそ違うのだが、生活スタイルというか思考というか、正に私の回路と相似していて、嘗てのイージーライダー、ビートルズ、ボブディラン、PPM、ベトナム反戦 等々の世代なのだ。
人生一度しかない! Don't think twice it's all right.
Let it be.