2008.3月も終わりの頃、J大大学院の卒業生が温泉旅行を企画したのです。桜満開の箱根温泉旅行、この春大学院を終了した4人と、ナベ先生(通称ナベさん)と同僚の鈴木先生と私の7人ツアーなのです。箱根は関東でも有数の観光地、しかも桜の時期とあって、ウイークデイにもかかわらず道々は観光の車で溢れていました。我々のツアーは温泉と宴会だと決めているから昼間は実にノンビリしたもので、しかも勝手知ったる箱根界隈だから右往左往はしないのです。昼過ぎに旅館にチェックインしてから芦ノ湖畔に出て、ノンビリと時間を潰したのです。写真の船は、芦ノ湖に浮かぶ観光船。日が傾き始めてから写真を撮ると逆光になって、まるで大航海時代に逆戻りする様な風景なのです。何故、芦ノ湖観光組合さんが大航海時代の海に拘っているのかは分かりませんが・・・。そう言えば、芦ノ湖遊覧船の船着き場で、非常に興味ある光景を目にしたのでした。船着き場界隈は洒落たレストランや土産物屋や若者向けのホテルが立ち並ぶ観光スポットで、折しも春休みとあって学生とおぼしき連中がやたらと目に付いていたのです。船着き場の正面に6階建てのホテルがあって、その最上階が総ガラス張りになっている。どうやら芦ノ湖の全景を眺めながらゆったりとお湯に浸かる趣向なのでしょう。遊覧船から降り立ってふと見上げると、全面ガラスの向こうに、もぎたてのマスカットのようなキャッキャとした若き女性の裸の集団が見えるではありませんか。え!マサカ〜、なのでです。我々ノンビリツアー全員の目が点になった。「え〜〜マサカ〜。凄いね〜」と口々に呟きながら、まるで海中で竜宮城を見つけた浦島太郎のように、時の経つのを忘れてしまったのでした。そのうち誰かが6階に向かって手を振り始めた。こちらから丸見えなんだから向こうからも当然丸見えのはずなのです。そのうち手を振っている我々に気付いたガラスの向こうの裸のマスカット達も、「え!こっちを見てる人が居るよ〜」とか何とかキャッキャと言ったのかも知れませんが、見上げる我々に手を振り始めたのです。私は手にカメラを持っているのも忘れて、湖を泳ぐニジマスの姿を執拗に確かめるフィッシャーマンのように、そして且つ呆然と、ただただ見入っていたのです。全く、若いという事はそれだけで凄い事なのです。滑らかな高級石鹸のように、そこに有るだけでスベスベとした青リンゴの薫りが仄かに漂ってくる。今更ながら窓ガラスの向こうで恥じらいもなく手を振っていた集団を思い出す度に、若かりし日の胸ときめいた感覚が蘇って来るのです。そう言えば、我々のツアーにもうら若き女性が4人も居たのです。右の写真は、箱根湯本の温泉旅館に着いて、ゆっくりと温泉に浸かってリフレッシュした後の夕食時の写真ですが、いやはや埃まみれの作業服姿を見慣れている私にとっては、みんな見惑うほどの淑やかな女性だったのです。やはり日本女性は浴衣が似合うのです。もちろん師と学生という暗黙の規律が存在するから、昼間のような呆然として手を振るような感覚は介在しないのですが、こうやって写真だけ眺めてみると決して悪い光景じゃない。彼女たちは非常に優秀な連中で、これから立派に成長し日本を背負うようなアーチストになってくれるものと密かに期待しているのです。夕食をタップリ味わって、さてさて飲み直すかという時に、若者主導で全員でUNOをやる事になった・・・。さすがに我々の世代じゃ決して出て来ないアイデアです。UNOは40年程前にチラッとやった記憶があるかなという程のトランプゲームなのですが、それ以後40年間一度もやった事がない。もちろんやり方もルールも忘れているから、若者から逐一説明を受けつつゲームを開始したのです。これが、やり始めたら意外に面白い。しかも一ゲームの勝者二人が次のゲーム中にお酒や間食を取れるというルールを作って、タバコに関しても同様のルールで部屋の外の縁側で吸えるという事にしたから、3〜4回連続して負けてしまうと、まるで吊し上げを食った気分になってくるのです。時間経過と共に、お酒や肴にありつくために真剣にならざるを得ないのです。酒やタバコに有り付きたければ勝しかない。結局、夜中の2時半頃まで、差して酔っぱらわずにタバコも吸い過ぎず、実に健康的にギンギンのめり込んだのでした。写真は、UNOゲーム中の風景です。私は運良く一抜けで、すなわち最初に勝って、お酒を飲みながら第2位が決定するのをウヒヒと眺めながら撮った写真です。端から見れば、うら若き女性達に囲まれてさぞ楽しかろうとお思いでしょうが、負けが込んでくると、蟻地獄に落ちた蟻のように、焦れば焦るほどカリカリして益々負けが込んでくるから、益々酒からもタバコからも遠ざかる。実に健康的なゲームだったのでした。おかげで翌朝は全く二日酔いなし。ツアー二日目は、さしたる理由もなく箱根湯本から大涌谷まで行ったのです。まるで最近の銀座通りのように外人観光客で混み合うの玉子茶屋まで登って、冷たい霙に降られながら黒たまごを食べ、昼食は真鶴半島のまで下って、昼飯にしては結構高めの海鮮レストラン魚座で刺身定食、遅めの昼食をたらふく食ってから、解散になったのでした。イヤ〜、今回の温泉ツアーは、目から鱗なのでした。
63 温泉と浦島太郎とUNO
2008.3月も終わりの頃、J大大学院の卒業生が温泉旅行を企画したのです。
桜満開の箱根温泉旅行、この春大学院を終了した4人と、ナベ先生(通称ナベさん)と同僚の鈴木先生と私の7人ツアーなのです。
箱根は関東でも有数の観光地、しかも桜の時期とあって、ウイークデイにもかかわらず道々は観光の車で溢れていました。我々のツアーは温泉と宴会だと決めているから昼間は実にノンビリしたもので、しかも勝手知ったる箱根界隈だから右往左往はしないのです。昼過ぎに旅館にチェックインしてから芦ノ湖畔に出て、ノンビリと時間を潰したのです。
写真の船は、芦ノ湖に浮かぶ観光船。日が傾き始めてから写真を撮ると逆光になって、まるで大航海時代に逆戻りする様な風景なのです。何故、芦ノ湖観光組合さんが大航海時代の海に拘っているのかは分かりませんが・・・。
そう言えば、芦ノ湖遊覧船の船着き場で、非常に興味ある光景を目にしたのでした。
船着き場界隈は洒落たレストランや土産物屋や若者向けのホテルが立ち並ぶ観光スポットで、折しも春休みとあって学生とおぼしき連中がやたらと目に付いていたのです。
船着き場の正面に6階建てのホテルがあって、その最上階が総ガラス張りになっている。どうやら芦ノ湖の全景を眺めながらゆったりとお湯に浸かる趣向なのでしょう。遊覧船から降り立ってふと見上げると、全面ガラスの向こうに、もぎたてのマスカットのようなキャッキャとした若き女性の裸の集団が見えるではありませんか。え!マサカ〜、なのでです。我々ノンビリツアー全員の目が点になった。「え〜〜マサカ〜。凄いね〜」と口々に呟きながら、まるで海中で竜宮城を見つけた浦島太郎のように、時の経つのを忘れてしまったのでした。そのうち誰かが6階に向かって手を振り始めた。こちらから丸見えなんだから向こうからも当然丸見えのはずなのです。そのうち手を振っている我々に気付いたガラスの向こうの裸のマスカット達も、「え!こっちを見てる人が居るよ〜」とか何とかキャッキャと言ったのかも知れませんが、見上げる我々に手を振り始めたのです。私は手にカメラを持っているのも忘れて、湖を泳ぐニジマスの姿を執拗に確かめるフィッシャーマンのように、そして且つ呆然と、ただただ見入っていたのです。
全く、若いという事はそれだけで凄い事なのです。滑らかな高級石鹸のように、そこに有るだけでスベスベとした青リンゴの薫りが仄かに漂ってくる。今更ながら窓ガラスの向こうで恥じらいもなく手を振っていた集団を思い出す度に、若かりし日の胸ときめいた感覚が蘇って来るのです。
そう言えば、我々のツアーにもうら若き女性が4人も居たのです。
右の写真は、箱根湯本の温泉旅館に着いて、ゆっくりと温泉に浸かってリフレッシュした後の夕食時の写真ですが、いやはや埃まみれの作業服姿を見慣れている私にとっては、みんな見惑うほどの淑やかな女性だったのです。やはり日本女性は浴衣が似合うのです。
もちろん師と学生という暗黙の規律が存在するから、昼間のような呆然として手を振るような感覚は介在しないのですが、こうやって写真だけ眺めてみると決して悪い光景じゃない。
彼女たちは非常に優秀な連中で、これから立派に成長し日本を背負うようなアーチストになってくれるものと密かに期待しているのです。
夕食をタップリ味わって、さてさて飲み直すかという時に、若者主導で全員でUNOをやる事になった・・・。さすがに我々の世代じゃ決して出て来ないアイデアです。UNOは40年程前にチラッとやった記憶があるかなという程のトランプゲームなのですが、それ以後40年間一度もやった事がない。もちろんやり方もルールも忘れているから、若者から逐一説明を受けつつゲームを開始したのです。
これが、やり始めたら意外に面白い。しかも一ゲームの勝者二人が次のゲーム中にお酒や間食を取れるというルールを作って、タバコに関しても同様のルールで部屋の外の縁側で吸えるという事にしたから、3〜4回連続して負けてしまうと、まるで吊し上げを食った気分になってくるのです。時間経過と共に、お酒や肴にありつくために真剣にならざるを得ないのです。酒やタバコに有り付きたければ勝しかない。
結局、夜中の2時半頃まで、差して酔っぱらわずにタバコも吸い過ぎず、実に健康的にギンギンのめり込んだのでした。
写真は、UNOゲーム中の風景です。私は運良く一抜けで、すなわち最初に勝って、お酒を飲みながら第2位が決定するのをウヒヒと眺めながら撮った写真です。端から見れば、うら若き女性達に囲まれてさぞ楽しかろうとお思いでしょうが、負けが込んでくると、蟻地獄に落ちた蟻のように、焦れば焦るほどカリカリして益々負けが込んでくるから、益々酒からもタバコからも遠ざかる。実に健康的なゲームだったのでした。
おかげで翌朝は全く二日酔いなし。
ツアー二日目は、さしたる理由もなく箱根湯本から大涌谷まで行ったのです。まるで最近の銀座通りのように外人観光客で混み合うの玉子茶屋まで登って、冷たい霙に降られながら黒たまごを食べ、昼食は真鶴半島のまで下って、昼飯にしては結構高めの海鮮レストラン魚座で刺身定食、遅めの昼食をたらふく食ってから、解散になったのでした。
イヤ〜、今回の温泉ツアーは、目から鱗なのでした。