天安門で戦車の前に立つ若者のように、停めたトラックの轍を平然と塞いで、庭中にマーガレットが咲き乱れた時期は過ぎた。 今年の主役は、そのマーガレットじゃなくて、トラックのタイヤの側でヌボーッと突っ立って紫の花をつけた雑草だ。ネットで調べたらヤナギハナガサという名の雑草らしい。 裸婦の股間を飾る産毛の簪(カンザシ)のように、1mmの小さな花が集まって咲いている。 目を引くような艶やかさはないが、何となく気になる形をしているから、下の方でチョキンと切って、グラッパの空瓶に挿してみた。この間の抜け方が気に入っているのだ。