個展の作品制作も佳境に入ってきたこの時期、せめて昼ご飯時はノンビリと過ごしたいという思いから、仕事場の近くにある広い沼(大池)の水辺で弁当を食べる事が多い。6月の水辺は食後のデザート、ピーチゼリーの様に甘く爽やかなのだ。午後1時の仕事開始まで30分程の余裕がある時は、釣り糸を垂れる事もあるが、釣れた事はない。時々、蛇が気持ちよさそうに水面をクネクネと泳ぐのを見かける。思わず足下の草むらに目を走らせるのだが、本当は蛇の方が人間を怖がっているのだ。遠くで水鳥の集団が優雅に浮いているのが見える。昔ここにカヌーを浮かべて、日がなノンビリと釣りをした事を思い出した。カヌーは今でも倉庫で眠っているのだが、ノンビリと過ごす時間の余裕が無くなったのだ。いつの日か、過去に置き忘れた時間を取り戻して、またこの水面にゆったりと漕ぎ出そう。