2022年5月の連休中、観光地は人混みを見に行くようなもので、人の目とマスクをかけた顔の集団を見たところで、私の精神解放には繋がらない。 思えば、私は風光明媚な観光地かもと思われる様な地域に住んでいるのだから、5月の爽やかな風の中を、何時もどうりながら新鮮な気持ちを持って散策することが心の解放に繋がる。このところ私は花を撮ることに嵌まっている。花といっても桜やチューリップ等々の、誰が見ても「花!」という大きくて華やかな花じゃなくて、虫眼鏡を持って歩かないと見逃してしまう様な、路傍にひっそりと咲いている小さな小さな花である。その小さな花にレンズを近づけて、ワクワクしながらシャッターを切る。近年のカメラは優秀で、撮り手が老眼で被写体をクッキリと捉えられなくても、カメラが認識してちゃんとピントを合わせて撮ってくれる。上記の写真が何種類かの花だが、大きさは1mm程から、せいぜい3~4mmの大きさである。一番右下のタンポポの種ドームと比較すれば大きさは一目瞭然。タンポポは少し離れて撮っているから実際はもっと大きいのだが。こんな小さな花でも、柔らかな花びらの中には、ちゃんと雄蕊と雌蕊が備わっていて、完璧な美しい花だということが写真から見て取れる。こいつらは人間を楽しませるために花開いているんじゃない。小さな虫やアリンコにアピールするために花開いている。老人の目には捉えられなくても、そのいじらしさが、たまらなく愛おしいのだ。