筑波山の麓にパワースポットらしき場所がある。 山裾の集落の入り組んだ路地が下水工事で通行止め、細い迂回路の先の小さな十字路に「パワースポット →」と書かれた小さな看板あった。 その矢印方向へしばらく進むと、古池の土手に幹の中央が裂けた古木が枝を張っていた。長く横に伸びた一方の枝は松杭で支えられている。ロッテルダムにあるザッキン作「破壊された都市」を彷彿とさせる。 間違いなくここがパワースポットだと感じた。 天は地表に圧力を与えて、命の力量を計る。その圧に体を裂かれ抗いながら、命は己のパワーを再び天に向ける。 これが大地に生きる物の、パワースポットなのだ。