fry to sky

村上さんのアトリエで、毎年恒例の新蕎麦会があった。
年に一回、採りたて碾きたて打ちたての本物の蕎麦を堪能する。これがたまらなく美味いから、毎年参加するのだ。
氏のアトリエの上空は、成田に近い所為もあって、多くの旅客機が離着陸する。
蕎麦を食いながら、ジャンボの主翼から尾を引く白線は、一体何なんだという話になった。トイレの水だという者が居たり、燃料だという者も居たり、水滴だという者が居て、細い雲だという者も居た。真相探求の会話は、新蕎麦の舌触りに押されて、知らぬ間に喉元を過ぎ、考える間もなく腹の中に収まった。
後から思うに、水分を多く含んだ空気が翼で圧縮され、後部で急激に減圧される。その時に空気中の水分が水滴や氷滴となって、すなわち雲の一種となって尾を引いているんじゃないかと考察した。それにしても、ほとんどの機種で主翼の先端だけが尾を引いていたのは何故?

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