2020年4月大池の桜が寂しく咲き誇る朝、我こそはと聲高にしゃしゃり出た輩がいた。孤高のカラスだ。大池回りの桜と水面に群れる水鳥が見渡せるポジションに陣取って、全ての成り行きを見渡している。時には家の側の電柱で喧しく鳴くこともあるが、私から「何時も有り難う」という気持ちで挨拶をすると、向こうもちゃんと挨拶を返す礼儀正しい空飛ぶ生き物だ。こいつが居ると辺りの空気の張りが違う。正に爽やかにユッタリと張り詰めた風景の中のカラスベーダー。