これまた我が家からの眺めである。ハッと気付いたときには、嵐の前兆の中にスッポリと入っていた。未だ夕暮れ時には一刻の余裕があると思って、仕事に打ち込んでいたら、にわかに全てが暗闇に包まれてしまった。ナニ・・・?!。 一抹の不安と恐怖を覚えて窓の外を見た。どす黒い内蔵のような雲の重なりがアグレッシブにうねりながら地上を飲み込んでいた。家も森も畑も田圃も沼も、地上の全てが魔性に飲み込まれてしまったようだ。遥か遠方に外界の陽光が垣間見えるのだが、もう全てが手遅れだ。巨大な魔性の腑の中で、地上が光を失って行くのを見た。私がこの写真を取った後の1時間弱、雷と暴風雨が荒れ狂ったのだ。どうする事も出来ない大自然の巨大なエネルギーの中にいる時、何故か何時も心の奥が躍動しているのを感じる。自然への畏怖と、その中で必死に生きようとする生命力が、背中合わせになっている。私の中の野生が、目覚める時なのかも知れない