graduation
旅立ち

今年度、JB大・立体美術学科の石アトリエを卒業していく学生と、K.W.先生と私も含めてのパフォーマンスショットである。K先生も私も普段はこんな格好で写真に写る事はないが、学生のたっての頼みとあって、はなむけのパフォーマンスなのだ。
かねてより大学の経営陣が、「女性が石を扱うなんてとんでもない!」と、前時代的な通念(最大限好意的に考えて)を元に石アトリエの存続に対して圧力を増しているらしいと言う話をよく耳にするのだが、このエネルギー溢れる学生を見よ!と言い返したいものだ。社会の閉塞感など糞食らえといわんばかりの明るさとパワーに満ちているではないか。
石に触れ石を扱うという事は、壮大な宇宙の有り様に触れ、地球の成り立ちや生命の来歴を掘り起こしていく事と同義語であるという事を知らないで宣っているのか? ましてや、女性が石を扱う事は危険だから避けた方がいいなんて、大学は小学校じゃねーぞ。
硬い石に向かい、長い時間を掛けて石と対話しながら、自己と照らし合わせたオリジナリティーある造形を求めていくことは、アートとしてのみならず人類が作り出す文化の総体を思考し開拓する事と同等なのだ。だから、石に向かう学生達はみな人として生き生きしているのだ。
この先の見えない時代を、新たなパラダイムへと導いて行ける思考と技術とエネルギーとを蓄えて、卒業していく学生達にエールを送りたい。

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