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夏の雲

2022年8月初旬
9月13日〜10月6日、東京のいりや画廊で個展を開催する。今年に入ってから八ヶ月間、出品作品の制作をコツコツと続けているのだが、今年の夏の暑さは細身に応えるのだ。一雨来ると涼しくなる気がするのだが日光辺りから雷雲が襲ってくると、制作は中断せざるを得ない。
入道雲を遠目に見る分には夏の風物詩として嫌いではないが、真上に来られるとたまったもんじゃない。
ここ数日も色々な形の入道雲が立ち登っている。北西サイドから迫ってきた巨大な雲は、アトリエをギリギリに掠めながら、あっという間に東の加波山の山向こうに通り抜けた。そして活発な入道雲の立ち上がりが見える。実にエネルギッシュな形態が目視できるのだ。グルグルと動きながら盛り上がってくる生物彫刻のような形態に見惚れながら、何枚かシャッターを切る。自分の場所から東サイドに立ち上がる入道雲は、めったやたらには西側に攻めて来ない。アトリエから北側・西側に立ち上がる入道雲がヤバイのだ。だから加波山サイドに立ち上がる雲は余裕を持ってカメラを構えることが出来る事が多い。午後の日差しを受けた巨大雲の塊が実に美しいのだ。
その数日前、制作を終えて帰宅途中に南東にある加波山の向こうに、キノコ雲のような雲が立ち上がっていた。局地的に立ち上がる雷雲なのか?とても珍しい雲だ。広島に落とされた原子爆弾リトルボーイを、私の実家から数分後に見上げたらこんな風景が展開されていたのかも知れないと思った。ぞっとさせる雲だ。

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