Soba filed
世の見方と蕎麦の花

2023年10月12日
桜川市にある仕事場(Studio the third factory)をスタートして、りんりんロードを南に歩く。左手には太陽光発電パネルが設置されたフィールドが続いて、右手は広い蕎麦畑が広がっている。今の時期は蕎麦の花が満開で、部分的に風景が緑白色に染まる。
このコーナーでも過去に蕎麦畑を取り上げたことがあるが、小さな花の集合体は大地を被う薄緑のモヘアニットの様で、蕎麦畑と背景との境界線はメガネを掛けない私の視界のように暈ている。
茨城は蕎麦の産地である。至る所に蕎麦畑が広がっているのだが、初霜が降りると蕎麦刈りが行われ、風景が変わるのだ。
私の大好きなカメラにF1.4*80mmレンズを付けていたこともあって、ピントが合っている花はクッキリと写り、前後にズレるに従ってボケ量が大きくなっていく。蕎麦畑を撮ると、平面の写真の中に前後の距離が感じ取れる。
話しは展開するが、電車や新幹線に乗って気付いたことがある。車窓の風景の何所に目の焦点を合わせるかで、過ぎゆく風景の方向が180度変わるのだ。目の焦点を合わせた所よりも近くは、電車が進む方向の反対に過ぎ去るのだが、焦点の向こう側は電車が進んでいる方向に風景が追いかけてくるのだ。
人が、人生の何所に主観を置くか、世の中を見る何所に注目するかで、見え方が大きく変わってくるというサンプルなのだ。

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